Project

プロジェクト

ナラティブ・リサーチの手法開発と実施

ナラティブ・リサーチとは

ナラティブ・リサーチは、まちに暮らす人々のストーリーを丁寧に聞き取り、その物語の中から地域の課題や価値、可能性を見出す新しいまちづくりの手法です。子どもや高齢者、地域活動を担う人々など、多様な視点を取り入れることで、より包括的で実現可能な都市計画や空間活用のアイデアを生み出します。
この手法では、インタビューやワークショップを通じて地域の声を集め、それらを分析・可視化することで、都市のハード整備(建築やインフラ)とソフト整備(イベントやコミュニティ活動)の両面に活かすことができます。従来の専門家中心の計画だけでは見過ごされがちだった日常の営みや住民の価値観を捉え、まちの個性を生かした持続可能なデザインや施策を生み出すことを目的としています。
ナラティブ・リサーチは、コミュニティデザインやプレイスメイキングと組み合わせることで、より多様な人々が関わり、地域の未来を共に創る新たなアプローチとして注目されています。

概要

本研究では、密集市街地において、防災を起点とした自律的・持続的な空間運営と展開方策を検討するために、「ナラティブ・リサーチ」という手法を開発し、地域の声を分析しました。
従来、まちづくりの議論では意見が反映されにくいサイレントマジョリティの声を拾うことが重要視されています。ナラティブ・リサーチは、語り手自身の物語を通じて、その人が思い描く「まち」の姿や想いを浮かび上がらせることができる手法です。さらに、本研究ではナラティブ・リサーチ専用のソフトウェアを開発・活用することで、言葉にしづらい想いや、無意識のうちに感じている地域の特性を可視化することが可能になりました。
この手法は、防災を含めたまちづくりの意思決定において、より多様な市民の視点を反映するための有効なアプローチとなることが期待されます。

■プロダクト:ナラティブ・リサーチ
■実施年:2023年~

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