概要
日常と災害時の両方で役立つフェーズフリーな土地活用の一環として、本町東べんてん橋公園となりの空き地で、地域に開かれた菜園コミュニティを立ち上げ、運営しています。このプロジェクトは、イベントやリサーチを通じて把握した地域のニーズをもとにうまれたもので、“いつも”の地域のつながりを育みながら、“もしも”の防災への備えにもつながる、新しい取り組みです。

日常では、地域に暮らす方が菜園活動を楽しみ、四季折々の野菜を育てる場として活用されています。コミュニティには農業専門家にアドバイザーに入っていただき、野菜の種類や育て方などを気軽に相談できる体制を整えています。栽培された野菜は、災害時にはミネラルなどの栄養補給源となり、地域の生命線としても役立ちます。また、菜園の整備にあたって設置した水道は、災害時に地域住民に開放することを視野に入れ利用しています。

この菜園コミュニティでは、近隣の介護事業所と社会福祉法人とも協力し、日々の見守り活動も行っています。学校や福祉施設等は災害時には避難所としての機能を有している施設もありますが、設備だけでなく日常の顔の見える関係性こそが、いざというときの助け合いを可能にします。さらに、コミュニティの運営にはLINEのオープンチャットを活用し、マイノリティを含む多様な方が気軽に情報共有や交流ができるよう工夫しています。これにより、参加者間のつながりが強まり、災害時にもスムーズに連携を図れることが期待されています。

■プロダクト:ぼうさいえん
■実施年:2024年~
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